つくづくいやになる。
4月から自公と維新による強行採決で成立した
働き方改革関連法案に基づく新ルールがスタート
するわけだが、はやくもその落とし穴が
出てきているのだ。
例えば残業。大手企業のしわ寄せが下請けの中小企業
に来ているのはお金だけではなく働く側の時間にも
来ているわけだ。
大手が社員の働く時間の短縮を進めると、下請けが
その分に合わせて引き受けたこと(発注)への納期や締め切りが
早まったり限界を超えた要求が押し付けられることに
なる。しかもその上限規制が中小は1年遅れて
来年4月の導入というからこれは差別そのものだ。
しかし、この大手と中小の線引きは果たしてどこに境界線が
あるのかがはっきりしていないように思える。
準備に時間がかかることから猶予期間を与えるといえども
実際には下請けをやめない限り残業上限はおろか
同一労働同一賃金も難しいのではないかと思えてしまう。
どの会社も下町ロケットの佃製作所のようになれば
まだしも現実にはそうならないことが多いのではないか。
この記事は3月15日の朝刊1面に載っていたが、
社会問題を扱う番組にかかわりたいと願っていた
20代の中小放送制作会社の元アシスタントディレクターが
長時間労働による残業の超過と月に1日しか休みがとれないことで
心身がむしばまれて会社を辞めた。
それもすべて大手放送局の残業削減によるものだ。
そういえばNHKのドキュメント72時間で
成田空港第三ターミナルに密着した回で
そういう人がインタビューに応じていたのを覚えている。
やはり心身ともに疲れ果てて会社を辞めて
実家のある札幌に帰るって言っていた。
他の業界でもそうだが、テレビ局を巡る環境がこのような
状況では、はたして働き方改革の矛盾にメスを入れられる
ような番組ができるのだろうか。
どうも期待できそうもない。
朝ドラの再放送を入れたり、番組収録が深夜に及ぶこと
がないようにし始めたという話を聞いている。
では下請けはどうなっているのか。
ぜひともドキュメントで見てみたいものだ。