「頑張ってください」のかわりに

水泳の池江璃花子選手が白血病を公表してから

激励や応援の声が多数来ているというが

その一方で、がんと闘う患者に対して

「頑張ってください」と声をかけるのは

むしろ良くないのではという声も

ネット上などで見られるようになった。

確かに病気と向き合うことは常に

身体や心が安定しない環境に自分を追い込む

ようなものなので、「ガンバレ」と言われても

これ以上頑張っているのにどうしてガンバらなければ

いけないのだろうと受け止めてしまうことが多い。

 

自分がうつ病になって最初の頃、

あの時はとても外の声を

聞いていられるようなことが出来なかった。

ただ全てを休みたい、本当に休むことができるまで

全てを無視したかった。

あの頃の家族もそんな自分の気持ちを察してくれて

普段通りに、普通の言葉で接してくれた。

ただ職場(当時の)には自分の状況をきちんと話すようにと

言われただけだった。

幸い、職場の上司(だった)からも身内がうつ病になった人がいたことで

家族としての立場から、いまは病気と向かい合って

治療を最優先でやってほうがいいよと言われて

休職に関する手続きなどをすぐにとってくれた。

その時もガンバレという声は全くなかったが

少しずつ治療へ向けての後押しを

家族だけではなく、たくさんの人々から受けたような感じだった。

わずかしかなかった頑張るための力を徐々にいただいて

再び仕事ができるようになった気がする。

 

公表後の記者会見のとき、コーチのコメントで

「非常に前向きに取り組もうとしていることに驚いている」

のがあった。本人にとっては自分の今の立場が信じられない

思いもあるだろうが、きっとここまで支えてくれた方に

余計な心配をさせたくないからこそ

今の気持ちをツイッターで包み隠さず公表したのだと思う。

ならば「頑張ってください」という難しい言葉はいらない。

その気持ちだけ受けとめればいい。

そして温かく見守ればいいのではないか。

本当の闘い、がんサバイバーとしての試練はこれからなのだから。

そしてその先は決して絶望ばかりではないはずだ。

「神様は乗り越えられない試練は与えない、

自分に乗り越えられない壁はないと思っています」「必ず戻ってきます」

本人からの決意のメッセージである。

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