2月12日の午前中、
始業時刻よりも早く自宅を出て電車に乗り
職場の最寄り駅に着き、まだ余裕があるので
ホームの待合室に腰を落ち着け、読書を始めた。
職場の中には本をもち込むことが規則で禁止されているからだ。
ふと隣の人がスマホ片手に会話をしているのが気になった。
「持ち家なんですけど・・・・」
「寮に入らなければいけないですよね・・・・」
「年収360万円ですよね・・・・」
「自動車部品の組み立てということでよろしいんですよね・・・・」
この会話のような声を聞いてちょっとだけこの人物をみてみると
20~30代くらいの男性で黒いコートが上半身で
スーツ姿のような外見だった。
そしてスマホ片手で会話をしたまま待合室から離れて
ホームに向かって行ったが、
少したってから改札を出て駅の出口へ向かうと
その人物はまだスマホをやりながら駅の外へと出ていった。
果たして仕事を探すためにこのようなことをしているのか
大変だなあとその時は思った。
しかし、仕事が終わって帰宅してふと考えてみた。
ひょっとしたらこの男性は派遣会社の人間ではないかと。
あの漏れ出た話の内容にしても
仕事探しというよりは仕事の紹介といった感じだし
この男性の歩く先は派遣社員が多数いる倉庫などが
連ねる場所だった。
まさか営業活動でスマホを使いながら
各事業所を訪ねて(またはアポが取れた所へ)回っているのだろうか。
いずれにしてもご苦労さまだ。
非正規でかつ体力仕事ができる人材はこれからは不足状態になる一方で
外国人に頼ることになるのは確実になりそうだが
どちらにしても雇用と求人をマッチさせる側に携わる人たちの
苦労はさらに増す一方になることだろう。
もちろんこれは不正統計で化けの皮が剝がれた
アベノミクスとは一切関係のないことである。
試練は乗り越えることが出来る人しか与えないというが
本来の試練とは別の苦労を与えられるとは本人も予想ができなかっただろう。
治療が早く終わることを祈りたい。