きのう訓練校で自習をして、
帰宅して自分の部屋のエアコンのリモコンを見たら、
気温が9度と表示されていた。
こんなに寒くなっていたのかと思ったと同時に、
おとといまで気温がこんなに下がっていたっけとも感じた。
吐く息の白さ、日なたぼっこ、
やきいも屋台(川越では、石ならぬつぼやきいもの店があった。)
など冬の寒さの風物詩はいろいろあるけれども、
温度計が指す数値を見てみると、
本当の寒さを体感することにはキリがないことがある。
私は常に寒さが当たり前の職場で10年以上働いたことがある。
エアーシャワーを通りぬけた
作業室(原料検収室)は常に気温10度台に保たれていた。
そして原料冷蔵庫は0度、
冷凍庫はマイナス20度台だった。
だから鮭の半身もマグロのブロック(サクやブツになる前の)、
うなぎの長焼きや塩サバの三枚おろしもカチンコチンで、
CMじゃないがクギが打てるどころか、
凶器にもなりそうな固さになっていた。
棚卸し作業をするときは、
作業服の中にセーターや下着を重ね着して、
軍手をはめた上にスキー用の手袋をしなければ
手先から凍りついて文字も書けないし
なによりボールペンのインクも凍りつくのだから
鉛筆じゃないとつかえないのだ。
そして室内の温度計チェックは1日3回以上欠かせない。
冷凍機などの故障で室内の温度が上がれば
原料の鮮度にも影響をおよぼしてしまうからだ。
この職場を離れてもう2年以上になって
温度計を見る機会がずいぶん減った。
体で温度の変化を感じる機会ばかりだと、
たまに温度計を見た時に
なぜか体感と数値の差に思わず身構えてしまう。
一種の緊張感が全身を襲う。これも職業病なのだろうか。