松戸アートラインプロジェクト2010終わる(5)

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旧・原田米店の商屋から母屋に入る。
その1階の部屋には、鳥の羽根を後ろに付けた
風向計のようなものがたくさんあった。
歩くだけでその風向計の向きが変わる。

この作品は「静寂の中で風は探す」(小松宏誠)。
目に見えないこの部屋の空気を捕まえる、というよりは
ゆっくりと感じてもらいたいといった作者の思いを感じた。
2階へ上がると部屋の真ん中に大きな鏡が置いてある。

さらにその先の部屋には窓や畳がなくなっていて
鏡が壁じゅうに貼ってあったので、

外の景色がこんな風にみえてしまう。
決して2つの建物が並んでいるわけではなくて、
鏡の効果でこうなったのです。
この2階すべてが作品「ゆれる景色の先に」(木村恒介)。
まさにトリックアートとはこういう作品だということが
わかったような気がした。
母屋から下に降りて、テレビでも紹介された
池田剛介無人島に降る雨」を見たが、
私が来た時には、作品に水を入れる作業をやっていた。
地面に水がしたたる風景をイメージしたこの作品は
土台があまり渇き過ぎてもいけないようで
バケツで作品に水をまいた上で、ふたたび水をしたたらせる動きを再開させた。

水のしずくが玉のようになって、それが地面を這う姿は
小さな生き物が歩いているようにも見えた。
その作品を見終えてから玄関へと歩く途中に

一軒家が現れた。
中に入ってみると壁じゅうに写真がいっぱい貼ってあって
こたつもテレビもあって、生活空間になっていた。
外へ出てみると、表札には「松戸家」(村上慧)と書いてあった。

3週間で家を作ったとは、それで毎週日曜日にはパーティーをやっている。
アートもいろいろと考えるものだ。
考えるといえばこの作品もだ。

神社にある絵馬のようなものが並んでいるが、
これが作品「ユメウツツ」(山下竜司)である。
ここにある絵馬のようなものは、見に来た人が自分に願い事を書いて
つるしたものだからこれは常識をはるかにすっ飛ばした
イデアといってもいいだろう。
でも米屋にも八百万の神々がいたのではないかと考えると、
なぜか違和感を感じないのだから不思議だ。
それでは、次の会場へ。(つづく)


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