昨日のTBS「噂の東京マガジン」を見て

昨日のTBS「噂の東京マガジン」の「噂の現場」コーナーで
松戸市立病院の移転問題を市長選の結果を交えて行われたが、
市長選の結果が影響したせいなのか、いつもの番組の作りよりやや杜撰で一種の偏見性さえ感じた。
松戸市長が本郷谷氏に代わっても、現地建て替えへの道が想像を絶するほど大変なことは
この番組でも関係者の声として取り上げていた。

この発言は以前ブログに書いた通り。5月の説明会では
「まだ決定はしていませんが、市の方針としては新病院建設を進めたい。」と発言していたからだ。
川井前市長は市役所が敷いた「新病院建設」のレールは簡単に外されることはないと考えてるから、この発言が出る。
次は市長選翌日の病院建設事務局長のインタビュー。

「市長が変わったのだから仕方がないだろう」といった態度とその口ぶりは
これまでの市のやってきたことを考えれば納得がいく。(過去の「広報まつど」も参照を)
全ては新市長が自分たちを納得させてくれるかどうか。それまでは「抵抗勢力」でいくという姿勢が見え隠れする。
民意は必ず新市長と同じ意見になるとは限らないと思えばそういう発言になり、この間自らの責任については何も話していない。
しかしこの映像には「あれ?」と感じた。

この新1号館は市の考えていた構想案であり、本郷谷氏は自分の政策パンフレットやビラでは
そこまでのことは言っていないのだ。
さらにTBSもそういう意見がくるだろうと思ったのか、民間シンクタンクの分析で
「現駐車場への転換は可能だが、1号館の全部の移転は難しい。」との意見を載せている。
しかし本郷谷氏はベッド数を600床から400床に減らし、コンパクトで機能性ある病院にすると約束した。
現病院は医師不足で約3分の2しか稼働していない現実もある。
TBS側はそれらの点を含めて、再度本郷谷氏を追求すれば良かったのだが
それがないままVTRがおわり、出演者のトークに変わってしまった。
番組全体としては市長が変わっても「新病院建設」から「現地建て替え」へスンナリ方針変更できるのか、
10年以上市が検討してきて不可能だと結論づけたことをどうやって覆すのかの疑問について
移転反対派(本郷谷氏を含めて)からの反論や意見をほとんど取り上げないから、
最終的には、出演者の中からも「現地建て替え」に関して懐疑的な物言いばかりに終始してこのコーナーは終了した。
市立病院移転問題の歴史は「現地建て替え」の検討よりも「新築・移転」に時間を費やしてきた歴史が長く
川井前市長は「地域住民の思いを尊重して検討したがだめだった」と言ったのは去年6月のこと。
それまで市立病院の将来像についての説明は「ほとんどやらなかった」から
住民投票を求める動きに発展し、市議会がその条例制定を潰したから
「この問題について市民の信を問う」場が市長選になったのだ。
時間の都合もあるだろうけれど、「市民を2分する大問題」になぜなったのかを番組は説明しようとしなかったのか。
「これまでの経緯と現地建て替えの可能性は別問題だ」というのなら
本郷谷氏を含め反対派住民は「過去に前例はある」からこの案を主張してきたことへの
論証をもっとやるべきではなかったのか。
いつもの「噂の現場」では1つの問題に対して住民・行政から多様な意見を集めて
ことの本質を突く報道をしてきたのだが、昨日の放送には市の意見だけを一方的に取り上げているような
違和感があった。だから「杜撰」であり「一種の偏見性」なのだ。
しかし市民の側からすればこのような報道をされた以上、新市長には現地建て替えへ向けての
早急な検討とそのプロセスに関する説明をしっかりやってもらわなければならないと思う。
市立病院の問題を機に市政に関心をもつ人も増えてきた。
この関心を支持に変えるためにも、前市長以上に市民との対話を重視する市政の転換は必要不可欠なのだから。

(反対派住民ではなく、あくまでも本郷谷氏の意見であると説明したシーン。それでは反対派はどう考えてるの?この後の説明なし。)