改めて「松戸市立病院移転問題」の今後

4月の臨時議会の「住民投票条例」の否決を受け、松戸市は一気に東松戸駅前の新築・移転へと動こうとしている。
16日には午後2時から市立松戸高校体育館で新病院基本計画に関する説明会が行われる。
新病院の基本設計が決まったからだ。

上の図は去年に発表された新病院基本計画の素案の中のもので、今回の基本設計では述べ面積が45000㎡から52000㎡に増え
地下駐車場も地下2階立てから地下3階立てに変更され、病棟は地下1階、地上11階になったが、
それでも素案通りにほぼ近い設計案になったことから、東松戸駅前に土地(紙敷土地区画整理事業66街区)を取得することを
市議会が通した時点で「ご意見無用!」となったわけである。もちろん市議会が土地取得の条件として市側と結んだ「東松戸駅前は候補地の一つ」という
付帯事項も有名無実化されたことになる。
しかし、この新病院が本当に2年間で約252億円の建設費で着工できるのかという疑問が残る。
確かに「駅前なら便利でいいじゃん」「新しい建物なら働く側も利用する側も気持ちが良い」「東松戸なら新しい患者を発掘できる」
という声も上がってくるだろうが、全てがこのメリット通りに行くとは限らない。
むしろ「医師看護師不足」「いままで上本郷だから利用していた患者の利便性」「600床がフルに稼働して、新病院開業後の病床利用率90%を達成することが出来るか?」
といった問題は納得のいく根拠にもとづいた説明を市側が果たさなくてはならないのである。
もっとも、臨時市議会では新病院に統合されて閉鎖されるはずだった東松戸病院が、
「現病院跡地(1号館を壊したあとの)に移転する」ことを市長が認めたのだ。
上本郷・北松戸地区住民の怒りと不安および6月市長選に市立病院移転問題を争点にさせたくないための作為というわけだが
この計画は当初「東松戸病院の存続」と素案に示されていたのが、突如2月定例議会の前に「新病院に統合、東松戸は閉鎖」になり
そして4月臨時議会で再びその案が大幅に変わったのだから、「東松戸病院の今後」というより完全な地元対策である。
これにより、現病院跡地を民間法人に売却して建設費(約20億円?)の一部にあてることは不可能になり、むしろ病院事業予算を増やさなければならないし、
新病院基本計画の根本的な見直しは避けられないのではないか?そうでなくても
東松戸病院に併設されている介護型老人ホーム「梨香苑」も閉鎖に追い込まれる可能性も高いから
将来にわたって市立病院事業のお荷物になる可能性が高い。その責任が松戸市民全員になすりつけられるのだ。
この件も含めた説明責任を市が果たしてくれなければ困る。
そうでなければ、改めてこう言わざるを得ない。
「どうしてお金のかかることばかり実現させようとするのですか?現地建て替えから見直したほうが良いんじゃありませんか!?」
(5月8日「読売」千葉・東葛面の記事を一部参考にしました。)