ハイチ・アート展を見に行く

22日から流山市生涯学習センター(つくばエクスプレス流山セントラルパーク駅」前)で開かれている
震災復興支援ハイチ・アート展を見に行った。

最近地震といえば中国青海省でも大規模な震災があったが
ハイチでは1月に起きてから復興のために更なる国際支援が求められているということで、
今回ハイチのアートに詳しい写真家の井上ジェイ氏が代表を務める「ハイチ・アートで復興支援をする会」
の主催で行われているもので、収益はすべて黒柳徹子さんを通してユニセフに寄付されるとのこともあり
協力も兼ねて足を運んだ。

会場に入り順路をたどると、まず震災の写真だ。
包帯をぐるぐる巻かれて横たえる子ども。
葬儀所だった建物は崩れ看板だけが残り、道にはガレキが残ったままで
いまだにテント村で過ごす人々たち。
反対側を見ると、井上ジェイ氏を1994年に撮影した震災前のハイチの姿があった。
被害にあう前のポルトーフランス(首都)はバザールに多くの人々がにぎわい、
そして家々も実にカラフルな色使いになっている。
白を基調としながらも緑や茶また薄いピンクなどを使い、また創造的なデザインも使い
明るいイメージになっていた。
また路線バスのタプタプも派手な絵が描いてある。一見素朴なイメージがあるハイチは
実はとても自由な発想で独自のアートを作っていた国だったのだ。
今回気にいった絵はまずこれだ。

フランツ・ゼファランの絵だがハイチの政治社会状況を題材にした擬人画だが、
色彩がとても明るく、別世界に引きずり込むような不思議さに満ち溢れている。
悲惨さを訴えているより、むしろこんな社会を笑い飛ばしてやれといったメッセージが感じられる。
他の見物者からも「不思議な世界ね。」という声もけっこう聞かれた。
そしてもう一つ。

カリクストゥ・アンリの絵。ナイフに絵の具を分厚く重ねる手法は珍しいやりかたで、
最初見た時は油絵にしてはなんだか独特だなあと思ったが、やはり背景が明るく
それが人物の内面にある「華やかさ」「若さ」「美しさ」を引き立たせていた。
残念ながらこの2枚の絵は絵ハガキ(100円)で売っていなかったのは残念だ。
ハイチのアートは、フランスの植民地時代に印象派やルソーの影響を受けて現在の
スタイルを確立したとのことだが、この絵の世界は私の中にあったハイチのイメージを変えさせて
くれた。是非とも多くの人に「明るく不思議な創造性ある世界」をみてほしい。
ハイチ・アートで復興支援をする会
http://ameblo.jp/haitian-art/